映画「万引き家族」
カンヌのパルムドールを受賞した是枝裕和監督の新作映画「万引き家族」を観ました。
予告編を確認しないで映画館の客席に腰を下ろした私は、いわゆる低所得者層である家族が「万引き」をしながら生活しているストーリーくらいのイメージしかできていませんでしたが、想像に以上の素晴らしい作品に出会えた喜びを感じています。是枝裕和監督の最高傑作として語り継がれていくでしょう。
乳幼児虐待、年金不正受給、非正規雇用者問題等の社会問題を取り上げながら進む、「普通」から外れた人間同士が集まり、だからこそお互いを求め合いながら家族を形成していく様は、今もどこかで営みを続けている「常識」なのかも知れません。
「万引き家族」は問題を抱えながらも必死に生き、他者との強い絆を求めていく「弱者たち」のストーリーです。「弱者」とは私たち自身が何らかの要素を抱える象徴的な存在であり、それ故にこの作品が共感を呼ぶキーワードになっているのでしょう。
生々しい臨場感ある映像を通じて「生きること」を表現した作品の完成度を支えたのは、出演者の「超自然な演技」。一流の役者が一流の演技をして、それを見事に切り取ったカメラワークの巧さが光りました。筆者はその自然な演技にグイグイと引き込まれ、自らが映画の作品に取り込まれたように作品と同期したような感覚でした。
後で知ったのですが、「撮影監督・近藤龍人と照明・藤井勇の2タッグが最強だった」とは是枝裕和監督の弁でした。
http://realsound.jp/movie/2018/06/post-202079.html
リンちゃん超可愛かったけど、3つの名前それぞれのシーンでそれぞれの人格を演じきっていて驚きました。天才子役ですね!
そして、最も印象的だったのが「安藤サクラ」の抜群な演技力ですね。涙を拭きながら祥太へメッセージする最後のシーンにグッと来るものを感じました。
また、とても印象的だったのは花火の場面です。
音だけが鳴り響く隅田川の花火大会。「家族」全員が夜空に視線を注ぎ、必死に花火の光を探し求めるシーンです。それはまだ見えない未来だけれど、確かに存在する明るい未来を探り当てるような象徴として胸に刻まれました。
是枝監督自身が「この10年間考え続けてきたことを全部込めた」と語る、“家族を超えた絆”を描いた物語。素晴らしい映画作品としてオススメ致します。
映画鑑賞後に悲しいニュースが飛び込んできました・・・。
https://www.asahi.com/articles/ASL663D72L66UTIL00H.html
概要
映画『万引き家族』
公開日:2018年6月8日(金)全国ロードショー
監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:細野晴臣(ビクターエンタテインメント)
出演:リリー・フランキー 安藤サクラ / 松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ
緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 ・ 柄本明 / 高良健吾 池脇千鶴 ・ 樹木希林
配給:ギャガ
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