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ぶらっとアート ~β版~ all you need is art

【個展】Post Pop Artist 〜 藤城嘘「絵と、 」Vol.2@gallery αM

2018-09-09

「絵と、 」Vol.2

東京国立近代美術館の蔵屋美香さんがキュレーションする企画「絵と、 」の第2弾が行われていたのでお伺いしてきました。会場は武蔵野美術大学が運営する「galleryαM」です。

蔵屋美香さんは直近ですと「熊谷守一展」の企画構成を担当された方ですが、今回のような現代アートへの理解も深いようで、今回の企画も5人の作家を1年間かけて紹介していく企画です。

企画名にあるように、絵が現実と関わる方法を問うような企画。タイトルに含まれる空白スペースは作家や鑑賞者がそれぞれ埋めていくために用意された器のようなものでしょうか。

『絵と、 』

vol.1 五月女哲平:2018年4月7日(土)~6月2日(土)
vol.2 藤城嘘:2018年6月16日(土)~8月10日(金)
vol.3 村瀬恭子:2018年9月1日(土)~10月27日(土)
vol.4 千葉正也:2018年11月10日(土)~ 2019年1日12日(土)(冬休み12/23〜1/7)
vol.5 中村一美:2019年1月26日(土)~3月23日(土)

「絵と、 」
蔵屋美香

今年の連続企画は絵画を取り上げます。これはギャラリーを運営する武蔵野美術大学からのリクエストです。お受けするかどうか迷いました。絵画はとても好きですが、わたし自身は近ごろ絵画をどう考えてよいのかわからなくなっているからです。個々の作品や作家によいなと思うものはあっても、ムーヴメントの盛り上がりやメディウムとしての新しい可能性を感じることは、特に日本国内について難しくなったと思っています。

こうした気分はわたしの場合、はっきりと3.11以後に強くなったものです。震災から7年が経ちましたが、この間社会では、異なる意見の排除が強まり、経済格差が拡大し、政権や国際関係のありようも大きく変化しました。

いま仮に、これらのアフターマス(余波)も含めてカッコ付きの〈震災〉と呼んでみることにします。この〈震災〉に呼応して、日本の美術界では社会に対して率直に発言する作品が目立つようになりました。その際、写真や映像、プロジェクト型の作品などは、メディウムがもともと持つ現実へのコミットの度合いの高さから、かなり率直な反応を示してきたように思います。しかし絵画は、絵具やキャンバスという物質のレベルはさておき、原理的には現実との関わりを持たずに色や形を組み立てることができます。もちろん政治的主題を直截的に描くこともできますが、関東大震災から戦時中の1920-40年代、戦後の1950-60年代にも試みられたこのやり方は、しばしば物事を単純化する危険を伴います。

絵画が現実に関わるよりよい方法とは。

あまりにベタな問いですが、この疑問を明るみに出し、真正面から扱わない限り、わたしのもやもやは晴れそうもありません。ついでに、「絵画」という一種の業界用語を使うと、結局問題が美術の枠内に収まってしまいそうなので、タイトルはあえて「絵」という言葉を使いました。

今回選んだペインターは、いずれも「絵と」現実を絵画ならではの方法で切り結ぼうとしています。「絵と」社会的出来事、「絵と」記号、「絵と」感覚など、「絵と、」の後に入る要素はさまざまです。彼らの試みを一つ一つていねいにたどるこの企画がわたしの、そして同じような疑問を抱えた人たちの、もやもやをはらす力強いきっかけになればと願っています。

藤城嘘(Uso Fujishiro)

作家の藤城嘘(ふじしろうそ)さんは1990年生まれ、20代の若手作家さん。オタク文化寄りのキャラクターをモチーフに、文字やアイコン、記号などを作品に落とし込む表現方法で主に絵画作品を発表されています。

ご自身が発表した作品について、ステートメントや解説でキチンと説明している作家さんで、作品に対して責任感の強い方だなぁ、と言う印象を受けております。

「gallery αM」は、大きな作品をゆったりと鑑賞出来るギャラリーです。

本展は2013年からの5年間の展示で作られた5点と、2018年に制作された新作4点によって構成されておりますが、いずれもサイズの大きな大作です。

展示作品

一部の作品は藤城嘘さん自身がWEBサイトで解説しておりましたので引用させて頂きます。

《バベルのメン》2017年 M150号キャンバスにアクリル、コラージュなど
漫画やアニメを前提に「キャラクター」というと、「美少女キャラクター」がすぐに思い浮かぶような偏りが、サブカルチャーに馴染みある人にはあるかもしれない。しかしむろんあらゆる創作物には老若男女そして人外の「キャラクター」がいるし、「キャラクター」を意識して作品を作るならそこに存在する差異は無視すべきでない。では、たとえばいわゆる「美少年キャラクター」表現の特筆すべき特徴とは?
意識的にアニメの”イケメン”を観察しドローングしてみたのは2013年頃であった。そのころ話題となっていたのは2011年にアニメ化した『うたの☆プリンスさまっ♪』や京都アニメーション製作の『FREE!』など。登場人物を素直に模写してみて気づいたのは、ちょっと違和感を感じる程度に長い鼻筋。鼻の設定を下め下めにしても、”イケメン”は成り立っている。つまり、垂直に長く伸びるほどに”イケメン”度合いは増していく?そしてそこから逆説的に導かれるのは、大きな眼が横並びになっている”美少女”の可愛さは、水平のデフォルメによって成り立っているのではないか?これがキャラクター水平垂直の法則である…(謎)。〜藤城嘘

 

《とある人類の超風景~DAY~》2012〜2013 キャンバスにアクリル
人間が抵抗する術もない天候や天体のスペクタクルには小さい頃から興味があった。だが実際に災害として起こってしまうと笑えるはずもなく、私たちは天災や死者と向き合うことも余儀なくされる。
本作はそもそもカオス*ラウンジが東日本大震災の翌年に発行した、『GENDAI*ART vol.1』の特集のひとつ「「受け入れ」の風景–「とある人類の超風景」」のために描かれた水彩のドローイング作品が元になっている。〜藤城嘘

 

《Time / Kirara / Charat》 2015 M120号 キャンバスにアクリル
本作は卒業制作であり、前回紹介した「昼」と「夜」のシリーズのうちの「夜」のシリーズ作品のひとつである。「昼」シリーズの延長にあたる《此方、来迎》も同時期に制作された。

 

《モストポズニダム》2018年 P100号パネルにアクリル
本作は「文字」をテーマにしたシリーズの一環。 私は絵に本格的に取り組むようになってから、正確な描画にどこか抵抗を持ちながら制作を続けてきたところがある。美術予備校に通っていた時期、「基礎的なデッサンは2,3ヶ月毎日集中して訓練すればだいたい誰でも上手くなる…」と周囲の学生を見て肌で感じた私は、生真面目なデッサンがつまらなくなった(だいたい、”石膏像あるある”のようなベタなアカデミックネタが回る世界がくだらないと思っていた)。その結果私はデッサンの時間、いろいろな形の円(正確に言えば、必ず最後に最初の地点に戻る描線)を繰り返しひたすら描いて円の集積が物の形になっていくようなドローイングスタイルをとっていた時期がある。私はこれを「サークルドローイング」と名付けている。〜藤城嘘

天上天下ハイウェイ F50号 キャンバスにアクリル、インク

 

なにかしらの門 1305×1800×40mm

 

電波少女のための水と空気 F120号 キャンバスにアクリル

 

キャラクトロニカ S100号 キャンバスにアクリル

 

どの作品も含まれる情報量が多く、対話するような形で時間を重ねて拝見しました。あれやこれやの現代カルチャー、エンタメコンテンツと重ねて見ていくと、はじめの作品の印象から変化していくこともありました。作品を読み解いていくような見方も楽しさの1つでしょうか。

アーティストトーク

長尺の動画ですが、アーティストトークの映像を見つけましたので、掲載しておきます。

概要

「絵と、 」
Vol.2藤城嘘(Uso FUJISHIRO)
会場:gallery αM
2018年6月16日(土)~8月10日(金)
11:00~19:00 日月祝休 入場無料
アーティストトーク 6月16日(土)18時~19時
オープニングパーティー 6月16日(土)19時〜

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